2022年2月22日(火)〜27日(日)
大阪市立美術館 地下展覧会室
2022・ZERO展は、3年目のコロナ禍のなか不安もありましたが、無事会期を全うできました。
応募数はやや持ち直し、作品の質も高く、来場者も大勢お見えになり、非常に良い展覧会となりました。
今年は、一般の出品者の中から堀紀幸さんの金属工芸作品が大賞に選ばれました。アルミに和彫を施した精細な器5点は、その圧倒的な技巧からくる美しさで観る者を魅了せずにはおきません。また松井正賞は、昨年新人大賞に輝き今年から会友になった、にしじまのりこさんの切り絵作品が選ばれました。こちらもまた、その精巧さに目を奪われます。
今年の新人大賞のkatchanさんのクレパスを用いた絵画の巧みさ、塚本学院校友会会長賞の大西開斗さんの織のもつ不思議なデジタル感とアナログ感は、美術の、工芸の新たな可能性を感じさせる力作です。
そのほか、絵画作品に加えて、木彫・プリント・巨大な鉄筋アートなど創意あふれる作品が各賞を受賞しました。
公募5年目となる[0号展]にも、力作が集まりました。Sionさんの猫のイラスト作品に0号展大賞が与えられました。手軽に応募できる[0号展]ですが、レベルは年々上がってきており、個々の作品の魅力はもちろん、小作品が集まった全体の様子も見事で、巨視的にも微視的にも楽しめるコーナーに育ってきつつあります。来年以降もますます盛り上がってほしいところです。
また[こどもの部]でも、幼稚園児から高校生まで100名近くの出品があり、ZERO展らしい多様な作品群が展示されました。なかでもNさん(高校2年生)の作品は、本部門で初めてのデジタルアート作品で、精巧に書き込まれた猫の生き生きとした姿が観る人を驚かせました。
受賞者一覧
[本展の部]
ZERO展大賞 | 堀紀幸 時空の器(立体) |
松井正賞 | にしじまのりこ 和の国のアリス(切り絵) |
新人賞 | Katchan クレパスからの提案(絵画) |
会員賞 | 井本雄三 Patient Days(コラージュ) |
会友賞 | 川辺武士 悠久の歴史 釜石の白い壁(絵画) |
塚本学院校友会 会長賞 | 大西開斗 道(織) |
大阪府知事賞 | 山口知二 仏頭 -関係の励起点・仏頭・関係の中空の球体-(プリント) |
兵庫県知事賞 | アイアンアート夢工房 暴れ馬(立体) |
大阪市長賞 | 高橋呼春 風神・雷神(立体) |
堺市長賞 | 岡田健 FUKUWARAI 1/FUKUWARAI 2(インタラクティブ) |
兵庫県議会議長賞 | 若林いぶき 夕焼け色の夢心地(絵画) |
大阪市立美術館 館長賞 | 高澤圭多 ZIGZAG/水の箱(絵画) |
[0号展の部]
0 号展大賞 | Sion 春夢/春の園 |
Z E R O 会賞 | かわらの 孤独と遊ぶ/黄昏に舞う 堀内百合子 あに/おとうと |
[子どもの部]
大阪府教育委員会賞 | N(高2) 魂/とらねこ |
兵庫県教育委員会 委員長賞 | Meow(小6) 歪んだ心 |
大阪市教育委員会 委員長賞 | 堀内優吾(未就学児童) 木をちぎるスピノサウルス |
前年度大賞記念コーナー 東陰地正喜 跡の祭り(映像インスタレーション)