2023・ZERO展

2023年3月16日（木）〜21日（火・祝）
宝塚市立文化芸術センター 2Fメインギャラリー

昨年まで22年間実施してきた大阪市立美術館が改修工事に入ったため、2023・ZERO展は宝塚市立文化芸術センターに移っての実施となりました。
われわれにとって初めての会場であり、不安もありましたが、出品者のみなさま、美術館の職員の方々、搬入業社さまなど多くのサポートにより、たいへん良い展覧会となりました。応募数も急増し、一次審査の段階でかなりの数の選外を出さざるを得ない厳しい審査となりましたが、その分例年以上に質も高い作品が集まり、ZERO展らしいヴァラエティに富んだ展示となりました。

今年の［本展］では、一般の出品者の中から髙橋亜希さんのテキスタイル作品が大賞に選ばれました。綿・麻・シルクオーガンジーといった素材を平織・捺染・縫/藍染とさまざまな技法で作り上げられたといいます。作品は13メートルを越す長さで、通常の織であれば裏になる面を表側にして天井からUの字に吊るして展示され、全体像に圧倒されつつ、細部の意匠にも目を見張らせるものでした。また松井正賞は、会員の井本雄三さんのコラージュが選ばれました。
今年の新人大賞の小谷野初音さんの染織作品のポップな色彩、塚本学院校友会会長賞の宮木志江奈さんの金網にガラスを吹きつけた造形は、美術の、工芸の新たな可能性を感じさせる力作です。
そのほか、絵画作品に加えて、切り絵・プリント・陶・鉄・ガラスなどさまざまな素材・手法による、創意あふれる作品が各賞を受賞しました。
また受賞には至りませんでしたが、中学生や高校生の方が、［子どもの部］ではなく［本展］に挑戦されるケースも増えてきており、ますます楽しみです。

公募6年目となる［0号展］にも、力作が集まりました。桑野哲夫さんのコラージュ作品に0号展大賞が与えられました。手軽に応募できる［0号展］ですが、レベルは年々上がってきております。今年から共通のオリジナル額に入れて展示することにより、小作品が集まった全体の様子も見事で、巨視的にも微視的にも楽しめるコーナーになりました。また観客の方の投票によるオーディエンス賞も開設しましたが、あるほなつきさんのプリント作品がZERO会賞とのダブル受賞となりました。

また［こどもの部］でも、幼稚園児から高校生まで多くの出品があり、ZERO展らしい多様な作品群が展示されました。なかでも白太瑞樹さん（高校２年生）の本格的な油画は、審査員を驚かせました。さまざまな年齢の作品はとても楽しく、美術の原点を思い出させてくれます。

受賞者一覧